虫歯がなくても歯が痛くなることがあります。
とくに奥歯の下の歯。
ここに関しては、原因が胃のことがあります。
胃の経絡は目の下や顎のあたりを通っていて
胃腸の調子が悪いと顎のあたりに経絡としての痛みをもたらすことがあります。
胃は左側にあるので、身体の左側に症状が出やすくなります。
内臓が原因で身体が痛くなる反射を「内臓−体性反射」と言い、
内臓が原因の身体の痛みのことを「関連痛」と言います。
胃の内臓−体性反射による胸鎖乳突筋の緊張によるものがありますが、
この胸鎖乳突筋が緊張することで頸静脈が圧迫されて
さらに顎の静脈の流れが悪くなり
静脈の血管が膨らんで顎の神経(三叉神経の下顎神経)に触れて歯の痛みが起こります。
つまり、下の奥歯の痛みがあって虫歯が無い場合は胃の腸もみ(消化器系の内臓整体)をやることで
胃腸の調子の改善と同時に歯の痛みが改善していくことになります。
胃を施術することは根本解決となりますが、
対処療法もあります。
胸鎖乳突筋をほぐしたり引っ張ったりすることで歯の痛みがおさまります。
耳の下にある筋肉と理解しておけばわかりやすいです。
いちおう、耳の後ろ側の後頭部から鎖骨の内側に走る筋肉です。
胸鎖乳突筋をほぐす場合は耳の下の丸をつけた部分を大きくつまんでほぐすと
歯の痛みがおさまりやすくなります。
ただし、注意点があります。
首には頸動脈があり、頸動脈の中間ぐらいに頸動脈洞という部分があります。
この頸動脈洞に圧迫を加えると頸動脈洞反射が起きてしまい
血圧がグンと下がって気を失ってしまう可能性があります。
格闘技などの絞め技は、この頸動脈洞反射を起こして意識を落とすんです。
胸鎖乳突筋をほぐす際は、ドクドクする場所は避けてやってみてくださいね。