台風や大雨などの低気圧がやってくると体調が悪くなる方がいらっしゃいます。
とくに頭痛や腰痛、体の重だるさや関節痛が特長的です。体に不調があると、仕事や家事に影響が出てしまいますよね。体調が悪くなるとわかっていると、雨の日は気持ちもブルーになってしまいますね。
なぜ低気圧が体調を悪くさせるのか?
Wikipedia「気象病」の説明では
メカニズムの詳細は不明であるが、気圧や気温、湿度などの急激な変化に人体が対応しきれないことが原因とみられる。
具体的には、内耳など気圧を感じるセンサーからの信号により自律神経系のバランスが交感神経優位となり、それがストレス刺激となってさまざまな疾患のメカニズムを惹起するという考えがある[3]。また、気圧の低下により人体の押される力が減り血管が拡張しやすくなるのが原因[4]。主な治療法は、「規則正しい生活」、「十分な睡眠」や「正しい食生活」などであるが、他の原因による症状についてはこの限りではない。体力のない人が気象病になりやすい[4]。このほか空調に過度に頼らず気温変化に身体を慣れさせることや、ストレッチ、ヨガが予防と症状緩和に有効であるとの意見や、乗り物酔い薬で症状を軽くできるケースもある
と書かれています。
交感神経優位による刺激、または気圧の低下による血管の拡張が主な原因となっています。乗り物酔い薬で症状が楽になるというのはおもしろいですね。
船酔いを一発で改善する方法
過去に、テレビ番組の「ナイトスクープ」で船酔いが一瞬で治る方法を放送していました。
荒れる海で船に乗った探偵らが船酔いになったところで、氷水を首や股間にかけると船酔いがすぐにおさまったという内容でした。
首や股間は、太い血管が体表面に近い位置にあります。そのため、風邪を引いて熱をだしているときや熱中症のときには、太い血管がある首元や脇や股間(鼠径部)を氷水で冷やすことがあります。
船酔いの時に首や股間を冷やすことで血管が収縮し、交感神経が緊張して闘争・逃走モードへと体が切り替えます。血管が収縮することで耳にある内耳などの気圧を感じるセンサーの信号が正常になり、船酔いが改善すると考えられます。
乗り物酔い薬で気象病に効果が現れるのは、このメカニズムを利用している可能性があります。
気象病は、腸が原因のこともある
規則正しい生活や十分な睡眠をとっていても、気象病になっている人が多くいます。しかし、食生活となるとみなさんバラバラです。「正しい食生活」というものが医師によっても言っていることが違います。
規則正しいは一般的には1日3食。しかし、20代半ばを過ぎて成長期が終わり普段運動をされていない方には身体へのエネルギー摂取が多すぎる状態となります。ただ太るというだけならまだいいですが、腸への負担の影響も大きいのが一番の問題。
腸も平滑筋という筋肉でできており、食事の回数が多ければ多いほど平滑筋が疲れて弱っていきます。
間食をしているとさらに腸の動きは鈍くなっていきます。腸は栄養を吸収したあとは静脈に乗って肝臓へと栄養が運ばれます。そのとき、腸の動きが弱いと、この静脈血がスムーズに肝臓へ運べずに腸のところで滞ってしまいます。この状態が腸の「むくみ」。
循環血液量は体重の13分の1の量で、そのうちの7割が静脈に貯留されています。腸に張り巡らされている静脈にも、もちろん貯留されています。腸の筋力低下によって静脈血が腸に滞り、さらに低気圧が重なった場合に、腰の重だるさや身体の重たるさが起こります。
体液循環が悪くなるということは、関節内の関節液などの循環も悪くなります。関節液は、関節を覆う滑膜によって生成され循環しています。
当サロンでは、腸の平滑筋へアプローチしたり、腸の血液循環を良くしていくことで気象病が改善していった例が多くあります。実際に「今日は雨だから身体が腰が重だるくて…」とおっしゃっていた方が、施術後には「腰が軽くなった!」とおっしゃって帰っていかれます。
他にも、車に乗ると必ず車酔いをする方もいました。その方は家族で車で外食に出かける際に、帰りの車中で気持ち悪くなるのであまり車で出かけたくないとおっしゃっていました。
原因は、胃がガスで膨れて頭方向へ上がってしまっていたこと。施術2〜3回目で「車酔いがなくなった」とおっしゃっていました。
自分で腸の動きを良くするには?
そこで、腸の動きを良くする方法を試して欲しいです。それは、「食事の回数を減らす」ということ。1日3食なら2食へ、2食なら1食へ。間食はもちろん控えた方がいいです。
他にも、腸を動かすためにスクワットや腹筋をする方法があります。体幹を動かすことで腸が伸びたり縮んだりすることによって腸が動いていきます。
自分で腸をほぐすのが一番楽で早いですが…文章だけでの説明は難しいですね…。
首のズレが影響することもある
気象病と腸の関係をお伝えしましたが、頭痛については腸の影響というよりは、首の骨(頚椎)の影響が大きいのではと考えています。
頚椎には椎骨動脈という血管があり、椎骨のトンネルのような部位を通って脳へ動脈血が運ばれます。頚椎のズレがあると、血管が狭まってしまいます。さらに低気圧で動脈が拡張したときに頭痛が起こると考えられます。
頚椎を矯正することで気象病による頭痛が改善しているので、頭痛の方には頚椎の矯正も重要になります。
とくに頚椎1番2番を矯正する必要がありますが、セルフケアではどうにもできないのでお近くのカイロプラクティックを探すといいでしょう。骨格矯正の専門職はカイロプラクターとなります。
首の矯正をする施術者はいろいろいますが、頚椎の1番や2番を的確に矯正することができるのはカイロプラクター以外に思いつきません。オステオパシーの先生も、もしかしたらできるかもしれないけど個人差があります。
腸の施術については専門職がなく、整体師・鍼灸師・柔道整復師・カイロプラクターやオステオパシーやエステなど個人個人のスキルの問題となりますので施術者に聞いてみるといいかもしれませんね。
身体の改善について色々と熱心な人なら、腸も触ってくれると思います。