5歳の娘が転んで左腕をぶつけました。
前腕(肘〜手首にかけての場所)を痛そうにしていますがギャン泣きするほどでは無い様子。
肘を曲げたままで肘を伸ばそうと思っても動かせない。
右手と比べて指を動かしにくい。
腫れや熱感はなく、打撲痕もありません。
すぐに冷やして、骨折やヒビがあると危ないので念の為に添え木をしました。
でも全然腫れないんです。
骨折したら膨れるはず。
骨折かどうかを検査する方法があります。
・痛い場所の骨の繋がる関節を叩いて痛み(介達痛)があるかどうか調べる
・音叉を当てて細かい振動で痛みが起こるか調べる
・圧痛があるか調べる(マルゲーニュの圧痛)
家に音叉がないのでやっていません。
介達痛はありますが、ギャン泣きするほどの痛さではなさそうです。
圧痛というものは押したときの痛みです。
もちろん圧痛はあります。触るだけで痛がります。
骨膜は破れていなそうな感じで、
しかも腫れてないので
おそらく「肘内障」じゃないかと。
実際は整形外科でレントゲンを撮ってもらうのが確実ですが
日曜の夜だったので救急病院へ行かないといけません。
肘内障とは?
日本整形外科学会(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/pulled_elbow.html)より
症状
子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。
原因と病態
肘の靱帯から肘の外側の骨(橈骨頭)がはずれかかることによって起こります。
多くは、5歳以下の子供にみられます。
日本整形外科学会HPより
靭帯が外れてしまうことで痛みが起こります。
動かすと痛いので、ジッとした姿勢をとります。
5歳以下はこの靭帯がまだ緩いので、外れやすいようになっています。
カイロプラクティックでの肘の矯正(近位橈尺関節の矯正)方法を
ソフトに軽くやったところ、
ポキっと途中で音が鳴り、痛みがすぐに消えました。
靭帯が元の位置に戻ったときに音が鳴ったようです。
5歳の娘が「神。」とつぶやいてました…
本来は整形外科でちゃんとレントゲンを撮って
整形外科医に整復してもらう必要があります。
ちなみに、
矯正は肘関節を屈曲状態で
前腕を回内位にキープしたまま
肘関節伸展させていく方法です。
信頼できるエビデンスに基づいたコクラン(https://www.cochrane.org/ja/CD007759/you-er-nozhou-nei-zhang-notu-shou-zheng-fu-fa)にて
肘内障の整復について書かれていました。
どうやって治療するか?
治療は通常、腕を操作して、肘の骨を正しい位置に戻すことである。通常、徒手的に行われる。徒手的な治療には2つの代表的な方法がある、回外法と回内法である。回外法では、前腕を外側に(幼児の手のひらが上に向くように)ひねる、もしくは回旋させる。その後、肘を曲げる(屈曲させる)こともある。この方法はよく使用されるが、常にうまくいくわけではない。回内法では、前腕を内側に(幼児の手のひらが下に向くように)ひねる、もしくは回旋させるどちらの方法も通常は安全だが、あざができて痛むこともある。
いろんなやり方があるんですね。
カイロプラクティックでのやり方の方がソフトで簡単に整復できますが
日本の現代医療に取り入れられることはないと思います。
もし5才以下のお子さんが腕を動かせないときは
肘内障の可能性があります。
ちゃんと整形外科へ連れて行ってあげてくださいね。
5歳の娘は矯正後、念の為テーピングで固定しておきました。